メンタルクリニック どんな時に行く?
2021.03.09
新潟市医師会のホームページおよび会報に、当院新藤が執筆した記事が掲載されましたのでご紹介します。
https://www.niigatashi-ishikai.or.jp/citizen/psychiatry/psychiatry-memo/202102261896.html
「メンタルクリニック どんな時に行く?」
様々な悩みを抱え、不安や抑うつなど心身の不調を感じながらも、心療内科や精神科を受診するかどうか迷われている方も多いと思います。
では実際にどのような方々がメンタルクリニックを受診されているのでしょうか?
当院の場合は「適応障害」と診断される方が3割弱と最多で、次いで「不安症」と診断される方が2割強、そして「うつ病」と診断される方が1割強と多く来院されています。
うつ病では気持ちが落ち込み、趣味ですら楽しめない抑うつ状態が2週間以上持続します。食欲がなくなったり眠れなくなったり、不安焦燥や疲れやすさが目立つこともあります。死にたい気持ちが強まることもあり注意が必要です。
治療は心身の休養と抗うつ薬の服薬が基本ですが、認知行動療法が有効な場合も多いです。
不安症は何かが怖くてとにかく不安で避けてしまう症候群です。特定の対象・状況が怖い限局性恐怖症、人前で恥をかくことが怖い社交不安障害、パニック発作が怖いパニック障害、逃げられない状況が怖い広場恐怖症、あれもこれも不安な全般性不安障害などがあります。
抗うつ薬の1種であるSSRIを服薬することで不安を軽減し、認知行動療法で不安への対処法を身につけることで日常生活への支障が軽減します。
適応障害は職場・学校・家庭・人間関係や経済的な悩みなど心理的・社会的ストレスが、本人のストレスに耐える力を超えてしまい心身が不調となり、上記のような抑うつ・不安症状が出現した状態です。その特定のストレス因に直面している時に症状が強く、離れると比較的落ち着く傾向があります。
治療としてまずストレス因から離れつつ、長期的には適応力を高めていくことが有用です。薬は補助的に服薬し、環境調整や現実的問題の解決をはかりながら、カウンセリングや認知行動療法により自己効力感を取り戻すことで回復が期待できます。
気分が沈むことや不安を感じることはどなたにでもありますので、日常生活に支障なければあまり気にせずに、日々のつらさが数週間も続くようであれば迷わずに、お近くの心療内科・精神科へ相談されてみてはいかがでしょうか?
新藤雅延
とやのメンタルクリニック
心療内科 / 精神科 / カウンセリング